JRP札幌支部

写真をもう一度 9

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 安友さんの最初の言葉は「で、大坂忠さん、何を言いたいの?」でした。
僕は一瞬心臓が凍りつくような緊張を覚えました。
僕は心の中で「何でわざわざこんな所まで出てきたんだろう。黙って、静かに札幌に居れば良かった」とつぶやきながら、手早くテーブルの上の写真を片付け始めました。
「ちょっと待って!」と安友さん。
「これは面白いね」と妻のポートレート数枚を指しました。
僕は「ポートレートの練習です」と答えながら早くその場から消えてしまいたいと思いました。
安友さん「たくさんあるの?」
僕「はい、あります」
安友さん「作品としてまとめると面白いかもしれないわね」
僕「・・・・」

 とりあえずテーブルから僕の写真が消えたので椅子に座りなおしました。
安友さん「ところで、その手に持っているのは?」
僕「コピー紙にプリントした古い写真です」
安友さん「あらそう、並べてよ」
僕「いや、これは40年前の写真ですから・・」

 僕が手に持っていたのは50枚ほどのA5サイズの作品とは言い難いものでした。
僕の写真の原点のようなのを聞かれたらお見せしようと思って会場に持参した「下北半島にて=1964-65=」というのでした。
19歳と20歳の2年間下北半島に通って撮った写真です。
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by jrps | 2012-12-03 11:32