JRP札幌支部

写真をもう一度 10

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 講評会が終わって地下から地上に出たのは夜の11時を回っていました。
渋谷の街は人とネオンサインの賑わいに溢れていました。
僕は携帯電話を取り出しました。「どうだったの?」と妻。
僕は彼女のポートレイトがほめられたことと「下北半島にて=1964-65=」をメーカーの公募に応募するように勧められたことを話しました。
妻はいかにも信じられないという口ぶりで「本当なの?」と。


 後日、ペンタックスフォーラムから「合格です!」という電話をいただきました。
併せて40年前のS2で撮った写真であることを絶賛されてしまいました。
展は2009年9月に実現をしました。
安友氏は自身のブログにも掲載して下さいました。

(WEB冊子)
※ブログ管理者注:このWEB冊子はとても素敵ですので、ぜひご覧ください。

 初めて講評会に参加したのは2008年4月でした。
一歩を踏み出すまでは時間がかかりました。
しかし、学生時代には夢想すらできなかった個展を実現できたのは加齢による図々しさと相まってデジタルの時代だからこそ、という思いがあります。

 講評会で一番学んだのは「で、何を言いたいの?」という心臓に最も悪い安友志乃氏の質問にいかに言葉で答えるか、でした。
今もその質問を自分自身に問いますが上手く答えられないでいます。
講評会は幸か不幸か現在は実施されていませんから僕はまだ心臓発作を起こさずに生き延びています。

 また、毎年多くのメーカーから魅力的なデジタルカメラが発表され、少なからず食指が動きます。
そんな中で公募に応募する写真を撮るとき使うカメラは、僕は我慢をして2社の製品に絞って使っています。そのわけは経済的なことと、メーカーの公募に応募するためです。
無論、先が長い方やカメラの操作を容易く覚えられる方には必要のない我慢かもしれませんが。
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# by jrps | 2012-12-11 11:26

写真をもう一度 9

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 安友さんの最初の言葉は「で、大坂忠さん、何を言いたいの?」でした。
僕は一瞬心臓が凍りつくような緊張を覚えました。
僕は心の中で「何でわざわざこんな所まで出てきたんだろう。黙って、静かに札幌に居れば良かった」とつぶやきながら、手早くテーブルの上の写真を片付け始めました。
「ちょっと待って!」と安友さん。
「これは面白いね」と妻のポートレート数枚を指しました。
僕は「ポートレートの練習です」と答えながら早くその場から消えてしまいたいと思いました。
安友さん「たくさんあるの?」
僕「はい、あります」
安友さん「作品としてまとめると面白いかもしれないわね」
僕「・・・・」

 とりあえずテーブルから僕の写真が消えたので椅子に座りなおしました。
安友さん「ところで、その手に持っているのは?」
僕「コピー紙にプリントした古い写真です」
安友さん「あらそう、並べてよ」
僕「いや、これは40年前の写真ですから・・」

 僕が手に持っていたのは50枚ほどのA5サイズの作品とは言い難いものでした。
僕の写真の原点のようなのを聞かれたらお見せしようと思って会場に持参した「下北半島にて=1964-65=」というのでした。
19歳と20歳の2年間下北半島に通って撮った写真です。
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# by jrps | 2012-12-03 11:32

第二回例会

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札幌も、かなり冬景色間近の季節となってまいりました。

2012年11月24日(土)・・・JRP札幌支部、第二回例会が開催されました。

来年3月中旬の支部展・・・なんかまだまだ日程があるだろうなぁ・・・とタカをくくっていたのですが
年末年始も迎えますし、告知用の媒体を準備したりする都合もあったりして
年内に「目鼻立ち」を考えないと間に合わない、ということに気づかされました(笑)

こういう部分は、やはり数々の個展を開いていらっしゃる大坂さんの「発破」がないと
なかなか前に進まないです・・・

とりあえず、各自「どういう方向性」で作品を出していくか?
そして告知用葉書の「一点」、タイトルや告知用の文言を
早急に検討しなければなりません・・・
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# by jrps | 2012-11-26 09:13

写真をもう一度 8

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 もうすぐ63歳になるという4月、僕は「今回はひとりで上京したい」と妻に話しました。
妻も繁華で雑多な街が大好きなので東京へ行くときはいつも一緒でした。
しかし、その時ばかりは、講評会でコテンパに批評をされて落ち込んで帰ってくるのだろうと想像をしていたらしく、妻の返事は「はい。私は家にいます」と。

 池袋のビジネスホテルにチェックインをしました。
シングルの部屋はこんなに狭いのかと思いながら荷物からプリントを取出し、ベッドの上に並べてみました。
「こりゃ、だめだ。参加するのは間違いだ」と改めて思いました。
しかし、せっかく飛行機代を払ってきたのだからと思い直し、覚悟を決めました。

 講評会の会場は渋谷駅の近くの喫茶店の貸会議室でした。
8人ほどの参加者がいたと思います。
安友さんが「今日はわざわざ札幌から参加してくれた人がいます。まず、その大坂さんから」と言われました。
僕はドキッとしました。
まさか一番目とは。
まったくの想定外のことでした。

 大きなテーブルにA5サイズのプリントを30枚ほど並べました。
手がぶるぶると震えていました。
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# by jrps | 2012-11-24 17:58

写真をもう一度 7

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 アサヒペンタックスと標準レンズを中古で手に入れたのは高校2年生になってからでした。
僕は写真を撮らずに議論に明け暮れていたのですが、一眼レフカメラは撮ることの楽しさを何倍にもしてくれました。
高体連などがあると自分の高校の選手の活躍を撮って、夕方に暗室にこもってキャビネ(現在の2L版程度の大きさ)に焼き、玄関ホールの壁にべたべたと張りました。
翌朝、教員や生徒が登校してくると前日の活躍を写真で見ることができるという仕掛けでした。
僕はこれこそ「真の報道写真」だと粋がっていました。

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 安友志乃氏の著作を読みながら大昔の青臭い議論のことを思い出し、タイムスリップをしたような気分になりました。
氏の主宰する講評会に参加したい気持ちを抱きながら一歩を踏み出すことができず、酷評されることへの覚悟ができるまで2年ほどの時間がかかりました。
それくらい自信がなく臆病でした。
しかし、同時に刺激がほしいとも思っていました。
思い切って安友志乃氏へ講評会に参加したい旨のEメールを書き、「送る」をクリックするまでもコンピュータの前で腕組みをし、随分と時間がかかったように思います。
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# by jrps | 2012-11-17 09:03